経理に向いてない・向いてる特徴は?スキル出世する秘訣を現役経理が解説!
「経理に興味あるけど難しそう」
「ミス連発してて経理に向いていないのかも」
「ストレス少なく仕事するコツは?」
せっかく経理になっても、自分に向いてなくて短期で辞めてしまうのは避けたいですよね。
とはいえ、「ミスが多いから」「数字が苦手だから」とすぐに経理に向いていないと判断するのは危険です。
経理について理解し自分の行動パターンと比べれば、自分に向いているかどうか考えられますよ。
この記事では、経理に向いていない人・向いている人の特徴をまとめたので、さっそく確認してみましょう。
- 1社目は地方勤務で残業続き
- ただ仕事に追われて20代が終了
- 30才過ぎてから転職を決意
- 2社目は転勤なしでホワイト職場
- 残業は月40hr超から10hr未満に
- 簿記2級、米国公認会計士保有
経理に向いていない性格4つ
おおざっぱ
洋服の整理が苦手だったり、約束の時間に遅刻しがちだったりする人です。
経理は数字の正しさやミスのなさを求められるので、ざっくりとしか仕事ができないと続けていくのが難しいです。
考える前に行動する
メールの誤字に気づかず送信してしまったり、知らない町で地図も見ずに目的地に向かったりするような人です。
経理は経営に関わる重要な仕事なので、確実さや慎重さが必要です。
数字が苦手
仕事で数字に特別強くなくても良いですが、苦手意識がある人は仕事でストレスを感じやすいです。
毎日のように数字や部門や商品を表すコードを使うので、数字を使うのが苦にならない方が良いです。
ストレスに弱い
経理は日常生活では使わないような百万円、億円単位の大きな金額を扱います。
また、短時間で多くの締め切りを抱えることもあり、プレッシャーを感じやすい仕事です。
そのため、ストレスに弱いとメンタル的に厳しいです。
経理に向いている性格5つ
正確さを大切にできる
経理は会計基準や税金に関する法律に従った処理が求められます。
そのため計算や入力にミスがないか、作成する資料が正しく作られているかを重視し、正確な作業ができる人に向いています。
細かいことに気づける
銀行の営業時間後は「1円単位で帳簿が合うまで帰れない」と言われますが、普通の会社の経理も同じです。
銀行ほど厳しいルールはないですが、会社の帳簿も1円単位で記入するので、一つ一つの処理で細かいところまで気をつかえると良いです。
計画的に物事が進められる
決算のときなどは、複数の処理を同時並行で進めるため、事前にしっかりと準備でき、遅れることなく仕事をしなければなりません。
旅行で観光地を回る計画を立てるのが好きな人、想定外のトラブルが起きても対処できる人が向いていますよ。
細かいことにこだわり過ぎない
先ほどの「細かいことに気づける」と矛盾するかもしれませんが、細かいことにこだわりすぎるのもNGです。
企業の活動には人でや予算に限りがあるので、膨大な会計処理をこなすためにある程度の”割り切り”も必要です。
会計の考え方の一つに「重要性の原則」というものがあり、以下のような意味です。
企業会計は定められた方法で正確な計算を行うが、その目的は、投資家など利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるので、重要性の乏しいものについては、簡便な方法での処理が認められている。
たとえば文房具などの消耗品は、未使用であっても買った時点で費用とするのである。こうした細かいことまで厳密に処理をしていると、手間ばかりかかり重要なことを見落としてしまうことになりかねない。
日本公認会計士協会
「株主などの利害関係者の判断を誤らせない」という会計の目的達成のため、重要な会計処理に時間を使って、それ以外のものは簡単に済ませる割り切りの良さも経理には求められます。
秘密を守れる
企業秘密を目にしたり、知ったりする場面も多くあります。
会社の経営状況や将来の投資案件などを、飲み会などでうっかり話してしまうような人に経理の仕事は任せてもらえません。
そもそも経理ってどんな仕事?
経理に向いているかどうか考えるとき、経理の仕事を理解しておくとよりイメージがつきやすいです。
そもそも経理は「経営管理」が語源といわれていて、企業のお金の流れを計算・記録・管理する仕事です。
経理にはルールがある
車を運転する時に信号や道路標識などの交通ルールを学ぶように、経理にも経理のルールを学び、ルールに従って仕事をします。
たとえば、経理処理のルールである「会計基準」や税金の制度である「税法」などです。
海外との取引がある場合には、貿易取引や外国の税金制度に沿った処理を知っておく必要があります。
会社経営に関わる情報を扱う
会社の経営状況がわかるのは経理のやりがいの一つです。
たとえば以下のようなものです。
- 毎月の損益状況
- 競合他社との比較
- 工場設備の購入申請
- 品質トラブルの対応状況
- 新規事業進出や事業撤退の検討
- 資金繰りの報告 など
もちろん、企業機密に関わる重要な情報は限られた社員にしか公表されませんが、過去の決算値や拠点別の損益も閲覧することができます。
結果的に、経営層の方と近い仕事もできるので、経営層が普段どのようなことを考えて、決めているのか知ることができ、やりがいを感じる場面は多いですよ。
経理の仕事は1年かけて1周する
経理は毎日行う支払いや入金、仕訳入力といった日次業務だけでなく、年単位で行う決算や税務申告などの年次業務を行っています。
また、利益計画を年度のはじめに作り半年後に予定通り利益を達成できそうか見直すなど、経営サポートなどもします。
▼経理業務の一例▼
毎日 | ・入出金管理 ・経費精算 ・仕訳入力 ・売掛金/買掛金管理 |
毎月 | ・給与/社会保険料の計算 ・月次決算 ・予算実績比較分析 |
毎年 | ・決算書作成 ・税務申告(法人税・消費税など) ・損益計画策定 ・年末調整 |
このように、1年かけて1周する仕事もあるので、経理の仕事にすぐに慣れるのは難しく、根気強く続けなければなりません。
2年我慢できれば、ようやく自分なりに仕事を進めるコツが見つかったり、楽しさが見つかってきます。
細かい作業が多い
経理業務は細かいデータ入力やチェック作業が多く、集中力と正確性が求められます。
たとえば、請求書の処理でもチェックポイントがたくさんあります。
- 請求書の宛名は正しいか
- 日付はいつか
- 支出内容がわかるか
- 消費税は正しく登録されているか
- 計上先の部門はどこか
なぜ細かいかというと、会社の経費である確認や、計上する月や部門が正しいか、予算と実績を比較して消化し過ぎていないか、などさまざまな観点から管理しているからです。
締め切りに追われがち
月次決算や年次決算など、厳しい締め切りに追われることが多いため、時間管理が苦手な人はプレッシャーを感じることがあります。
締切の中には毎日の銀行振込や法律で定められた書類の保存期限、決算書類や税務申告書といった外部に対するものなど、様々あります。
日次 | ・資金管理表の更新 ・請求書の支払い期限 ・領収書等の保存期限など |
月次 | ・月次決算報告 ・給与支払報告書 ・社会保険料の支払い期限など |
年次 | ・年次決算書作成 ・税務申告(法人税・消費税など) ・年次予算策定 ・年末調整 ・監査対応の資料提出期限など |
社内報告など多少の遅れは問題のないものもありますが、社外に対する締切は会社の信用に影響してしまうものもあるため、かなり神経を使います。
経理で必要なスキルや知識6つ
数字に抵抗がない
ぼくは文系ですが、経済学専攻だったので数学も好きで、数字には抵抗ありませんでした。
経理を目指すなら数字を扱うのが好きでなくても、苦手意識がない人に向いています。
計算間違いにすぐ気づけたりすると良いですね。
コニュニケーション能力
経理は営業ではないのでトーク力がなくても良いです。
ただし、社内外問わず幅広い人とやり取りするので、コミュニケーション能力が必要です。
ときには他部署の管理職を相手に処理の間違いを注意したり、経営層に経営状況の報告をしたりと目上の人と接する機会も多いので、遠慮せずに自分の意見を言える度胸が必要です。
論理的な考え方
複雑な経理処理や、税金を計算する場面もあるため、論理的に物事を考えられる人が向いています。
いまは会計システムが広く使われますが、システムで行う計算・処理の流れを理解できると仕事もスムーズにできます。
基本的な簿記の知識
「借方」や「貸方」など聞いたこともあるかもしれませんが、経理処理の基本となる簿記の知識は必要不可欠です。
新卒入社であれば求められることは少ないですが、転職して経理を目指すなら簿記2級程度の知識は持っておきたいですね。
オススメの勉強法はこの記事の後半で紹介します!
最低限のパソコンスキル
経理は1日中パソコン仕事するので、作業に慣れているとストレスなく過ごせますよ。
特に、エクセルなどの表計算ソフトは毎日使うので、ショートカットキーなどを活用できると即戦力になれます。
Excel女子の「ショートカットキー15選」は僕も日常的に活用している基本操作をわかりやすくまとめてます。
1週間に一つでもいいので、新しいショートカットを使えるようになると時短に役立ちますよ。
英語力あるとベスト
いまは、海外取引のある企業も増えています。
「転職賃金相場2023」によると、経理財務で年収400万円以上の転職を成功させた人は「英語力を求められる」仕事に就いていました。
400万円以上の年収を目指すなら、英語力も備えていた方が安心ですね。
また、大企業で英語ができると評価されるためには、TOEIC700点以上を取っておきたいところです。
経理で出世する人の特徴4つ
数字に強い
経理で昇進していく人は、売上高や利益率、過去の損益、従業員数など、会社にまつわる数字が頭に入っています。
日常生活でいえば、スーパーの野菜の値段やスポーツ選手の背番号を覚えてたりする人です。(なんでそんなに覚えてるのかこっちが不思議なくらい)
また経営者に対して経営アドバイスを数字で語れると信頼されますよね。
幅広い経験がある
会社の規模が大きくなればなるほど、さまざまな経験をしてきた人が出世していきます。
経理といっても、入出金や資金管理といった財務会計や損益管理などの管理会計、税務会計など守備範囲は広いです。
いろんな観点から会社を見れると強いですよね。
新しいものを試すのが好き
会計基準や税制は毎年のように変更が入り、会社で使う会計システムも進化し続けます。
新しいものを嫌がらず取り入れらる人は、ライバルよりも先にスキルを手に入れて差をつけられます。
特定の分野が強烈に得意
海外会計や税務処理、管理会計など、特定の分野に深い経験や知識があると、会社でも重宝されます。
他の人に仕事を奪われる心配もなく、専門性をより磨くけば会社で安定したポジションで働き続けることができます。
未経験から経理になる準備3つ
経理の基本を学ぶ
実際の仕事のイメージをつかむためにも、経理の基本は学んでおきましょう。
厚生労働省 経理事務紹介ページより
基本的な会計知識はこの次で紹介するCPAラーニングでいつでも無料で勉強できます。
簿記2級を取る
実務経験ゼロから経理に挑戦する場合にも、最低限の簿記の知識は必須です。
経理初心者はまずは簿記3級から始めて、2級まで取得しておくと転職活動で役立ちますよ。
CPAラーニングなら経理の基本からIFRSなどの発展系まで全て無料で学べます。
- 簿記合格を目指す:簿記1級、2級、3級各種など
- 実務を学ぶ:経理実務(初級・中級・上級)、会計Excelなど
- 上場経理を目指す:IFRS、連結会計、監査対応、内部監査など
実務経験を積む
もしいま経理に所属していなくても、経理に近い仕事はできます。
たとえば、経費精算申請や売上処理、請求書の支払い処理など、経理以外の部門から経理に回す伝票はさまざまあります。
まずは身近な仕事を確実に行い、社内異動で経理を目指すのもアリですよ。
経理に向いてないと感じたらすること3つ
ミスや失敗を振り返り対策する
ミスしたり、先輩に怒られて落ち込んだとしても、すぐに「自分は経理に向いていない」と考えるのはNGです。
まずはミスした原因や注意点を振り返り、同じミスをしないように対策しましょう。
- 入力ミス:確定する前にもう一度チェックする
- 資料の提出遅れ:リマインダを設定して、余裕を持って作業する
- 集計ミス:チェックポイントをリストにして漏れないようにする
社内異動する
仕事で怒られたりはしないけど、経理の仕事自体がストレスに感じる場合、経理に向いていないかもしれません。
上司や先輩に相談をして、別の部署に異動できないか交渉してみましょう。
転職する
経理の仕事は好きだけど、今いる会社の社風に合わない、将来に不安といった場合には、社外に目を向けて転職も考えてみましょう。
会社が変われば経理の仕事も変わります。
事業内容が変われば、使う会計基準も変わりますし、システムも違うので新鮮ですよ。
【まとめ】経理に向いてないと感じたらキャリアを考えるチャンス
経理は専門性が高く、向いている性格、向いていない性格があります。
ただし、「ミスが多いから」「難しいから」とすぐに経理に向いていないと考えるのは危険です。
経理の基本を理解し、対策をした上で自分のキャリアを見つめ直してみましょう。
未経験から経理を目指す人は、準備したいことを実践してください。
経理に向いていないと感じたら、時間を無駄にせず次のキャリアに向けてできることを始めましょう。
このブログでは、「経理の仕事に興味あるけどイメージがつかない」、「転職したいけど何からすればわからない」人向けに有益な情報を発信しています。
少しでも役に立てれば嬉しいです!ではではー。