経理は頭おかしくなる?ストレスの理由と対策7つを現役経理が解説!
「ミスばかりで逃げ出したい」
「営業が言うこと聞かずイライラする」
「こんな仕事何年も続けられない」
「経理やってると頭おかしくなりそう」って感じることありますよね。
実際、経理は仕事の細かさや忙しさからイライラすることもあります。
でも、コツを押さえて慣れてしまえば楽しめますよ。
この記事では、経理が頭おかしくなるストレスの原因やその対処法、経理を楽しめる人の特徴をまとめました。
記事を読み終えると、経理でストレスと付き合うコツがわかり、キャリアをどう積んでいくかヒントが見つかりますよ!
- 1社目は地方勤務で残業続き
- ただ仕事に追われて20代が終了
- 30才過ぎてから転職を決意
- 2社目は転勤なしでホワイト職場
- 残業は月40hr超から10hr未満に
- 簿記2級、米国公認会計士保有
経理で頭おかしくなるストレス7つ
「経理の働きがい調査」によると、経理の仕事でストレスを感じることの上位は「ミスが許されないプレッシャー」「経理の大変さを理解してもらえない」でした。
(「経理の働きがい調査」Sansanより)
ぼくの体験も交え、経理特有のストレスの原因を解説します。
ミスできないプレッシャー
経理は日々の支払い・入金から、決算書作成、税務申告など、会社の経営につながる仕事なのでミスが許されません。
もちろん、担当者と承認者でダブルでチェックするしくみがあり、まちがいが起きにくい仕組みになっています。
それでも、間違いが許されないプレッシャーはストレスに感じます。
経理の大変さがわかってもらえない
経理は経営につながる重要な役割がありますが、社内では嫌われ役になりがちです。
たとえば
- 営業の申請間違いを注意してイヤな顔される
- 経費精算がおそい常習犯をフォロー
- 営業に質問しても回答してくれない
など、経理から依頼することがあと回しにされたり、煙たがられたりと思うように仕事が進められません。
その結果、頑張ってるのに大変さが理解してもらえなくてモチベーションが低下してしまいます。
締め切りに追われる
月末や年末の締め切りに向けて、多くの業務をこなさなければならないことがあります。
- 銀行振込
- 経費精算
- 月次実績の報告
- 給与計算
- 社会保険料や各種税金の納付 など
特に、決算期は毎日のように細かく締め切りが設定されています。
ぼくのいる会社では、決算期間中には数時間おきに処理が行われる日もあり、時間に追われるストレスは大きいです。
時間を気にしながら、慎重に判断していかなければならないのはストレスですよね。
複雑な規則や手続き
経理が作る決算書や税務申告書はルールに従って作らなくてはいけません。
たとえば、
- 企業会計基準や国際会計基準などルール
- 会社法や金融商品取引法、税法
- 社内の情報管理や内部統制といった規則
さらに最近は
- インボイス制度
- 電子帳簿保存法
が導入され、消費税の計算方法や社内手続きは大きく変わっています。
ルールは毎年少しずつ変わっていくので、覚え直すのもひと苦労です。
最近は会計基準を日本基準から国際会計基準(IFRS)や米国基準に変更する企業も増えてますよね。
長時間のデスクワーク
経理は会社帳簿への仕訳入力やデータ集計など、パソコン仕事がメインです。
「今どきの仕事スタイル調査」によると、1日のデスクワーク平均6時間以上が過半数の56.7%でした。
(今どきの仕事スタイル調査をもとに作成)
座ってPCばかりいじってると、目が疲れたり、肩がこったり、体を動かしたくなったりと肉体的にもストレスがたまりますね。
社内コミュニケーション
経理は社内のどの部門ともやりとりが必要です。
たとえば、
- 売上の処理内容を営業に問い合わせ
- 経費精算の不備を修正してもらう
- 部長陣に先月の損益状況を報告
など、担当者から経営幹部までさまざまな人を相手にしないといけません。
また経理部門内でも、担当が分かれているので連携が必要です。
ただ、経理課員は異動が少なく固定メンバーなケースも多いので人間関係にストレスを感じる人も多いです。
実際、MS-Japanの調査では働く上でのストレスのTop2は「チームメンバーとの人間関係」や「チーム外のメンバーとのやりとり」でした。
(MS-JapanHPより)
仕事量が多い
経理は会社の利益に直接貢献しない部門のため、人数が限られます。
一方で
- インボイス制度
- 電子帳簿保存法
- 海外事業の増加 など
経理の仕事はどんどん複雑に、難しくなってきています。
結果、少ない人数で処理しきれるほどの仕事量でない経理部門が増えています。
「経理の働きがい調査」によると、「年間を通して」仕事量が多いと感じる人は39.4%でした。経理担当者が10名以上の企業ではより多い56.5%です。
(「経理の働きがい調査」Sansanより)
経理担当者一人ひとりの仕事が多いと残業時間も増えてしまい、精神的・肉体的なストレスを引き起こしますよね。
経理で働くメリットとデメリット
経理歴10年を超えるぼくが考える、経理のメリットデメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
仕事 | ✔︎専門性身につく | ✔︎ルーチンワーク多め |
年収 | ✔︎事務職では高め | ✔︎業績でボーナスが決まる |
働き方 | ✔︎計画的に休める | ✔︎決算期は残業続き |
スキル | ✔︎転職後も役立つ | ✔︎学ぶことが多い |
キャリア | ✔︎転職で年収アップ可能 | ✔︎評価されにくい |
職場 | ✔︎おとなしい人が多め | ✔︎社内で下に見られがち |
転職 | ✔︎人手不足で売り手市場 | ✔︎大企業は競争率高い |
将来性 | ✔︎経営に必要なので残る | ✔︎AIやDXで省人化が進む |
くわしくは【経理は辛いからやめとけ?】で解説してます。参考にしてくださいね。
経理で頭おかしくならないコツ7つ
仕事の優先順位づけ
経理は締切や急ぎの仕事が多く、どこから手をつけるか分からなくなりやすいです。
そのため、優先順位を明確にすることが重要です。
まずは毎日の業務をリストアップし、重要かつ緊急度の高いものから順に進めていきましょう。
たとえばこんな感じ。
【緊急かどうか】【重要かどうか】の2つの観点から4つに仕事をグループに分け、緊急かつ重要なものから処理していきます。
この方法を採用することで、業務の進行に対する自信がつき、ストレスが軽減されます。
効率的な時間管理
経理の仕事は、細かい数字や締め切りに追われるため、ストレスを感じることが多いです。
時間管理の工夫は、経理業務のストレスを減らす上で非常に有効です。
例えば、業務ごとに時間を割り当て、それを守ってみましょう。
- メールの返信は朝一番にまとめて
- 眠くなりやすい午後は作業を中心に
- 打ち合わせは午前中に済ませる など
また、一つの作業がおわったら10分程度の席を立って休憩するなど、疲れをリセットするのもおすすめです。
PCスキルと経理知識を磨く
経理業務の効率化には、会計ソフトやExcelなどのツールを使いこなすことが欠かせません。
例えば、毎月の経費集計をExcelのピボットテーブルで簡単に行う方法を学ぶなどです。
CPAラーニングなら会計にフォーカスしたパソコンスキルが無料で学べますよ。
簿記や経理実務をテーマにした講義などもあるので、気になる動画を流し見するだけでも勉強になりますよ。
もし資格取得を目指すなら簿記3級などから始めると、転職でも有利になれますよ。
無理せずに休む
デスクワークが続くと身体が疲れるだけでなく集中力も低下します。
1時間に一度は短く休憩するようにしましょう。
デスクを離れて軽いストレッチをしたり、外の空気を吸ったりするのもいいですね。
また、昼休みには会社を出て散歩をするなどして、リフレッシュする時間を持つことも大切です。
さらに、休みの日は仕事のことは忘れて趣味や外出して気分転換しましょう。
生活にメリハリつけることで仕事での集中力も続き、早めに仕事を進められますよ。
職場コミュニケーション
経理の仕事では、経理だけでなく他の部署や外部の人とのコミュニケーションが重要です。
たとえば、
- 分からないことはすぐに質問する
- 相手の悩みごとに力になる
- メールやチャットだけでなく電話や直接会話する など
最近はリモートワークも広がって直接のやりとりが少なくなってしまったので、意識して直接コンタクトしてみましょう。
経理のコミュニケーション術も参考にしてみてくださいね。
プライベートの充実
自分の感じるストレスとうまく付き合うことが重要です。
例えば、
- 軽い運動を定期的に行う
- 旅行に行く
- おいしいものを食べに行く
- 何かの趣味にハマる
- 家族や友人との時間を大切にする など
仕事とプライベートのバランスを取って、心と身体を健康に保ちストレスをコントロールしましょう。
経理に向いている・向いていない性格は?
くわしくは【経理に向いている人や出世する人の特徴】で解説するのでチェックしてくださいね。
経理に向いていないと感じたらすること
とはいえ、「入社前の経理のイメージと違った」、「想像していたよりしんどい」と感じることもあります。
辛すぎてメンタル不調になっては手遅れなので、早めに対処しておきましょう。
異動希望を出す
まずは、転職せずに異動できるか可能性を探ってみましょう。
もちろん無理をして我慢する必要はありませんが、転職しない方が精神的・金銭的な負担が小さく済むケースもあります。
1人で悩まずプロにキャリア相談する
自分に向いている仕事がわからない人はポジウィルキャリア
もし身近に相談相手がいない場合は、ポジウィルキャリアに無料でキャリア相談してみましょう。(転職エージェントでないので求人紹介はされません!)
(公式HPより)
無料のキャリア相談に予約すると、事前に資料や動画が届き、悩みを整理するサポートをしてくれます。
キャリア相談はオンライン(ZOOM)で朝8:00から夜9:30まで毎日やっているので仕事で忙しい人も気軽に予約できますよ。
予約枠には限りがあるので早めにチェックしてみてくださいね!
転職エージェントではないので求人の紹介もなし!
20〜30代のキャリア相談受講者数No.1!
経理以外にキャリアチェンジしたい人向けの”20代の転職相談所”
20代の転職相談所は、その名の通り20代の転職にまつわる相談に乗ってくれます。
20代ならではの悩みに応じて幅広いメニューがあり、すぐに転職を考えてなくても無料で相談を受け付けてくれます。
▼相談メニューの一例▼
コース名 | こんな人にオススメ |
「初めての転職」疑問解消コース | ①転職活動は何から始めたらいい? ②転職理由はどう伝える? ③転職にベストなタイミングは? |
「脱ブラック企業」相談コース | ①厳しい過酷な労働環境で働く人 ②ホワイト企業で適度な余裕が欲しい人 ③次こそは長く安定的に働きたい人 |
よくある質問
経理はなぜ大切なのですか?
経理は「経営管理」が語源といわれていて、企業のお金の流れを計算・記録・管理する仕事です。
経理がいないと会社の経営成績である決算書が作れず、また税金の計算もできないため、会社には必要な役割です。
経理の仕事は何年で慣れますか?
経理の仕事は1年がかりで行われ、一人前になるには大体3年くらいかかります。
特に新入社員から経理に配属された人は慣れていないので、2〜3年かけてペースを掴んでいきましょう。
詳しくは【新卒で経理が辛かった話】で紹介しています。
経理の残業時間が長いのはなぜですか?
経理はバックオフィスで会社の固定費なので、人数が増えない職場です。
一方インボイス制度の導入や電子帳簿保存法スタートなど、経理の仕事量は増えておりため、残業時間が多い傾向です。
dodaの「平均残業時間ランキング」によると、『経理/財務/税務/会計』の平均残業時間は24.0時間(1日あたり約1.1時間)です。
ただ、年度末から期初の時期は決算や税務申告が集中するので、平均よりも長い残業時間になります。
ぼくも前職では40時間以上残業していました。毎日およそ2-3時間の残業です。
経理正社員の年収はいくらですか?
dodaの調査によると、年収は「財務」「管理会計」「経理」の平均で533.6万円です。
「経理」だけだと519万円ですが、財務・管理会計・経理は広く担当するケースが多く、人事や総務、また営業の平均に比べて高めです。
(「職種・職業別の平均年収/生涯賃金」dodaをもとに作成)
また、同じ経理でも会社の規模や業界によっても大きく変わります。
詳しくは【経理はやめとけ?辛くて後悔する理由は?】で紹介しています。
経理は何人くらいいますか?
産業経理協会が実施した「経理部の実態」調査では、経理人員数が20人未満と回答した企業が全体の半分以上を占めていました。(上場企業含む75社の回答)
(産業経理協会「経理部の実態」
アンケート調査より)
100人以上の規模と回答したのは全体の1割未満でしたので、かなり少人数で経理を行なっているのですね。
【まとめ】経理で頭おかしくなる前に乗り切ろう
経理は仕事の細かさや忙しさからイライラすることもありますが、コツを押さえて慣れてしまえば楽しむことができます。
どうしてもしんどい時は、1人で抱え込まずに無料のキャリア相談を活用して悩みを打ち明けてください。
すぐ転職しなくても、キャリアを振り返ると自分の強みや弱みを整理できますよ。
このブログでは、「経理の仕事に興味あるけどイメージがつかない」、「転職したいけど何からすればわからない」人向けに有益な情報を発信しています。
少しでも役に立てれば嬉しいです!ではではー。