USCPAは難しい?合格率や何年かかるかを現役USCPAが解説!

「USCPAって難しいって聞くけど、どのくらいのレベルなの?」
「仕事をしながら勉強時間を確保できるか心配…」
「キャリアアップしたいけど、今の自分には無理かも…」
実際、当時28歳だったぼくも同じ悩みを抱えていました。
でも、この記事を読めばきっと、USCPA合格への具体的なイメージを掴み、一歩踏み出す勇気が湧いてくるはずです。
なぜなら、この記事ではUSCPAの難易度や合格率、必要な勉強時間、試験制度など、いま知りたい情報をギュッと凝縮したから。
この記事のポイントはこちら。
この記事を読めば、あなたはUSCPA合格に必要な知識と効果的な勉強法が分かり、自信を持って勉強をスタートできるでしょう。
そして、USCPA取得後の、新たなキャリアに向けて大きな一歩を踏み出せますよ。
- 1社目は地方勤務で残業続き
- ただ仕事に追われて20代が終了
- 30才過ぎてから転職を決意
- 2社目は転勤なしでホワイト職場
- 残業は月40hr超から10hr未満に
- 簿記2級、米国公認会計士保有

USCPAの合格率と必要な勉強時間は?

USCPA(米国公認会計士)試験は、日本の会計資格と比べると合格率が高めですが、決して簡単ではありません。
4科目すべて合格するためには毎日3時間以上(休日はもっと)の勉強時間を確保し、少なくとも1年半ほどかけて準備しなければなりません。

まずはUSCPAの合格率と必要な勉強時間を確認しましょう。
USCPAの合格率

(FAR・AUD・REGは必須科目、BARは選択科目の一つで、ほかにISC(合格率59%)と
TCP(合格率75%)がある。合格率は2024年度実績。)
USCPA試験のしくみはこちらからジャンプ⇩
USCPA試験は、あわせて4科目を受けて合格する必要のある科目合格制の試験です。
USCPAの(科目別)合格率は40~60%で、日本の公認会計士(約10%)や税理士試験(約15%)に比べると高いです。
ただし、「合格率が高い=簡単」と決めるけるのはキケンです!
- 受験するのに条件がある
- 英語力が必要
- 試験範囲が広い
- 科目合格には期限がある
特に、多くの人が1科目目に受けるFAR(財務会計)は受験範囲が広いので、難しく感じる人が多いですよ。

実際、ぼくは新卒から経理配属で29歳のころ受験しましたが、業務経験のない分野や税務会計(REG)には苦戦しました。
USCPAの合格率は、受験要件を満たしたうえで受験までたどり着けた人の合格率なので、甘く見ると不合格となるのでしっかりと勉強しなければなりません。
合格率では分からないUSCPAの難しさは記事後半(こちら)で解説しています。
必要な勉強時間

USCPAを目指す人の93%は社会人で多くの人が働きながら勉強しています。(公認会計士協会より)
公認会計士試験に必要な勉強は4,000時間といわれているので、比較的短い勉強時間で合格を目指せますが、それでも働きながらの勉強には覚悟が必要ですね。
ほかの資格との難しさ比較

USCPAは、簿記1級よりも広範囲の知識が求められますが、公認会計士試験ほどの難易度ではありません。
各資格の難しさや準備期間、受験料などをまとめました。
資格 | 難易度 | 準備期間 | 受験料 | 教材費など | 詳しくみる |
米国 公認会計士 (USCPA) | (4.5 / 5.0) | 1年~ 2年半 | 440,000円 | 40万円~ 100万円 | もっと くわしく見る |
日商簿記1級 | (3.0 / 5.0) | 3か月~ 半年 | 8,800円 | 1~2万円 | もっと くわしく見る |
公認会計士 | (5.0 / 5.0) | 2年~ 4年 | 19,500円 | 60万円~ 80万円 | もっと くわしく見る |
税理士 | (4.5 / 5.0) | 2年~ 5年 | 7,500円 | 20万円~ 100万円 | もっと くわしく見る |
簿記1級との比較
簿記1級は、簿記を商業簿記・会計学と工業簿記・原価計算の4分野に分けて深く学ぶ資格です。
一方USCPAは、FAR(財務会計)が簿記1級と同じ分野ですがより広い範囲を扱い、さらにAUD(監査及び証明業務)、REG(商法・税法)、BAR(ビジネス分析・報告)等があるので、より広い範囲の知識が求められます。
合格率は簿記1級は13%前後なのに対して、USCPAの科目合格率は40%ほどなので、USCPAのほうが合格しやすいです。

実務経験者になじみがある内容でもUSCPAは英語で解く必要があるので、語学力に不安がある人には難しく感じます。
ただし、簿記1級は1回の試験ですが、USCPAは4科目それぞれの受験になるので、準備期間としてはUSCPAのほうが長くなるのは注意です。
公認会計士との比較
日本の公認会計士試験は合格率が約10%と非常に低くく、USCPAよりも長い2~4年の勉強が必要なため、USCPAよりも難しいです。
また、公認会計士試験を受検した会社員は6.5%(2022年実績)だったのに対して、USCPAを受験する人の93%が社会人なので、働きながら受験しやすいのはUSCPAであると分かります。

公認会計士は短答式(選択式)と論文式それぞれの試験日に複数科目を受験する必要がありますが、USCPA(ほとんど選択式)で科目ごとに受験できます。
税理士との比較
税理士試験は、会計科目2つと税法科目3つ合計5つを合格する必要ある試験です。
USCPAよりも受ける科目が多いだけでなく、税法の条文や基本通達を暗記する必要があり、全科目合格までに5年以上かかることもあるためUSCPAよりも難しいです。
ただし、USCPAも税理士も科目合格制であるのは一緒ですが、USCPAは合格の有効期限内に4科目合格する必要がある点が注意です。
合格率だけでは分からないUSCPAの難しさ

USCPAは合格率が50%前後と比較的高めですが、これは他の資格と比べたときの数字上の話です。
実際には受験するための条件や、英語力、試験範囲の広さなど、難易度を上げる要因がいくつも存在します。

USCPAは合格率の数字以上に難しいポイントがあるんです。
それでは、1つずつ詳しく見ていきます。
受験するのに条件がある
USCPAを受験するためには、4大卒の学歴や会計単位数を満たす必要があります。

具体的には、米国各州の会計士試験委員会(NASBA)が定める単位要件を満たしていないと、試験を受けることができません。
- 州ごとに受験資格が違うので、事前に確認が必要
- 大学の会計・ビジネス系単位を取っている必要がある
- 単位が足りない人は、USCPA予備校で追加取得できる

ぼくも経済学部卒でしたが、会計・ビジネス単位が足りなかったので予備校で追加しました。
受験を考えたらまずは自分の単位状況を確認し、条件を満たす方法を検討しましょう。
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英語力が必要(読めるならOK)
USCPA試験はすべて英語のテストです。
専門用語も多く、英語に苦手意識があると、試験勉強が思うように進まないことがあります。
とはいえ、試験で必要なのはリーディングのみである程度パターンが限られ、会計用語は勉強しながら覚えるので、見るのもイヤだという状態でなければ問題ないです!

ぼくの通った予備校のアビタスのテキストは日本語で作られているので、日本語でインプット→問題演習は英語でという形で学べますよ。

(アビタスHPより)
試験範囲が広い
USCPA試験は、財務会計・監査・税務・ビジネスやITなど、非常に幅広い知識が求められます。
会計未経験者にとっては、どの分野も初めて学ぶことになるため、学習範囲に圧倒されるかもしれません。
また科目によって得意・不得意があるので、自分の向き不向きも考えて対策することが重要です。

ぼくはBEC(現在はBARなどの選択科目に変更)で不合格になり、2回目で合格できました。
科目別の詳しい内容は後半⇩で解説しています。
科目合格には期限がある
USCPA試験では、科目ごとに合格すればよいのですが、1科目目合格からすべての科目を合格するまでの期限があります。
州によって異なりますが、一般的には科目合格は30ヶ月間有効なので、残りの3目は2年6か月以内に合格しないと失効してしまいます。
出題範囲が広いFAR(財務会計)をまず受験して、残りの3科目を受けていくスケジュールが一般的ですよ。

もし合格した科目失効してしまったら、もう一度合格しなくてはなりません。
USCPA試験のしくみと各科目解説、お金
USCPA試験は4つの科目に分かれており、テストセンター(東京か大阪)でパソコンを使って受験します。
どれもMC(選択問題)とTBS(複数の資料を読み解くシミュレーション問題)から構成されます。

USCPA試験のしくみや各科目の難易度を確認しましょう。
試験科目の概要


例えば、経理経験のある人であれば、FAR(財務会計)は実務経験と結びつきやすく、比較的取り組みやすい科目でしょう。
一方、監査(AUD)や税務(REG)は企業の経理業務だけでは学ぶ機会が少なく、特に独学では理解しにくい分野となります。
BECは原価計算や経済学も含まれ、マネジメント視点の問題も出題されるため、経理経験だけでは対応が難しい場合もあります。
科目別の難しいポイント

FARは、全科目で一番出題範囲が広い科目です。
多くの人は1科目目として受験しますが、FARを合格できるかどうかが4科目合格できるかの分かれ道です。
AUDは、なじみのない人も多い監査と証明業務を扱う科目です。
正しく用語の定義や監査の流れ、適用する基準を理解しないと、混同しやすいです。
REGは、米国の商法と税法を扱うので日本で働く人には一番なじみのない科目です。

BARはFARの発展形の科目で、財務諸表や財務情報の分析や、リースや収益認識といったFARでも扱うテーマの上級問題が出題されます。
ISCはIT監査やデータガバナンス、内部統制、情報システムセキュリティなどに関する監査やアドバイザリー業務に関する知識が問われ、AUDの発展形の科目です。
TCPは個人や事業組織のタックスプランニングや連結納税、贈与税といった高度な税金計算が扱われ、REGの発展形の科目です。

迷ったらBARを選択しましょう。アビタスをはじめ日本の予備校でもBARは対策可能です。
受験にかかるお金

USCPA試験の受験には、各科目の試験費用だけでなく、受験手続きや予備校の費用など、さまざまなコストがかかります。
受験する州や受験回数によって金額は変わるので、前もってしっかりと計画を立てることが重要です。

USCPAをとるのにかかるお金については「USCPAはコスパ悪いのか?」で詳しく紹介しているので参考にしてくださいね。
費用の約半分を占める予備校代ですが、これをケチってしまうと、効率よく勉強できずにかえって受験回数が増えてしまうリスクがあります。
よほど会計知識や英語での情報収集に自信がある人以外は予備校を使うことをオススメします。
実際、実際にUSCPA学習中の人(422人)の約5人に4人がアビタス生です。

(どこブログより作成)
「その他」の内訳:CPA会計学院・プロアクティブ・大原です。
USCPA試験の効率的な勉強法

USCPA試験は試験範囲が広いので、仕事をしながら合格を目指すならどう効率的に勉強できるかが大切です。

限られた時間の中でどのように学習を進めるかが合格のカギとなりますよ。
社会人は予備校をフル活用

USCPAを受けるには、出願する州を選び、受験資格の審査を受けて、と初めての人には面倒な手続きが多くあります。
独学で手続きをすると遠回りをしてしまって、挫折してしまうリスク大です。
でも安心してください。
日本での合格実績No1のアビタスなら、5年間の受講サポートつきなので受験手続き、科目ごとの学習、合格後のライセンス取得まで全てサポートしてくれます。
日本人合格者の3人に2人が利用!
平日の夜や土日にもUSCPA試験制度の説明会が実施されているので、最新情報をぜひチェックしてみてくださいね。

説明会の中ではテキストや講義動画のサンプルも見せてくれるので、勉強のイメージがつきますよ。
FARに時間をかける
FAR(財務会計)は、USCPAの試験科目の中で一番範囲が広く、不合格者が続出する科目です。
特に経理未経験者は、会計の考え方・財務諸表の作りをしっかり理解しておかないとほかの科目の理解度にも影響するので、1年くらいかけて勉強するのがおすすめです。

経理経験者でも日々の業務で財務会計に触れているかどうかで、FARの難しさが変わってきます。
FARは計算問題も多く、単純な暗記では対応できないため、問題演習を繰り返しながら理解を深めることが合格のカギになります。
ひたすら問題演習をくりかえす
- 過去問を解くことで出題傾向を把握できる
- 問題のパターンを繰り返し解くことで定着する
- 時間制限を意識して解くことで試験対策になる
- 間違えた問題を分析し、弱点を克服できる
USCPA試験は、知識を暗記するだけでは合格できません。
試験では実務に即した問題が出題されるため、理解を深めるためにも、問題演習を繰り返すことが重要です。

ぼくは、間違えた問題を何度も解きなおして、解説できるレベルまで繰り返しました。
特に、アビタスやCPA会計学院が提供する問題演習や模擬試験は、本番のテストセンターでの試験画面を忠実に再現しているので、操作方法を含めて練習できます。

(AICPA公式HPより)
分からないことは1人で悩まず相談する
- 受験手続や学習内容は予備校に質問する
- SNSなどで勉強仲間を見つける
- 先輩受験生に相談する
USCPAの勉強をしていると、難しい概念や理解しづらい問題に出会うことがあります。
そんなときに1人で悩み続けると、学習の効率が悪くなり、モチベーションも下がってしまいます。
特に受験仲間を見つけるのは大きなモチベーションになります。

ぼくもXなどでその日に勉強したことや受験勉強の悩みをポストしながら、同じ科目を受けている人と励ましあったりしてました。
USCPA試験は長期戦になりがちなので、一人で抱え込まず、すぐ相談できる相手を見つけるのが合格のポイントですよ。
USCPAを難しくないと感じられる人の特徴

簿記1級や公認会計士を持っている
- 財務会計(FAR)の内容はすでに理解している
- 監査(AUD)も公認会計士試験の範囲と似ている
- 会計知識があるため、英語に集中できる
- 基本的な学習方法を身につけている
日本の公認会計士資格や簿記1級を持っている人は、USCPA試験の財務会計(FAR)や監査(AUD)で有利になります。
これらの資格は、日本の会計知識を深く学ぶ必要があるため、USCPAの試験範囲と重なる部分が多いのです。
例えば、FARの学習は日本の会計基準(JGAAP)との違いを理解することに重点を置けば、スムーズに進められます。
また、公認会計士試験を受験した経験がある人は、USCPAの試験形式にもすぐに慣れることができます。
グローバル企業で会計ひとすじ
- 日常業務でUSGAAPやIFRSに触れている
- 英語での業務経験があり、試験の英語も抵抗がない
- 財務報告や監査対応をしており、実務が試験に活かせる
- 専門知識をすでに持っているため、学習の負担が少ない
USCPA試験は英語で行われ、試験範囲には国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(USGAAP)に関する内容が多く含まれます。
そのため、外資系企業やグローバル企業で会計業務に長年従事している人は、試験内容に馴染みがあり、比較的スムーズに学習を進めることができます。
例えば、海外とのメールや会議を英語で行っている人は、試験の問題文の理解もスムーズに進みます。
このように、国際的な会計業務の経験がある人は、試験の学習範囲と実務が一致する部分が多く、学習の負担が軽くなる傾向にあります。
まとめ
- USCPAの合格率は40~60%で、日本の会計資格よりも高め
- 必要な勉強時間は1,000~1,500時間で、1年半ほどの準備が必要
- 試験範囲が広く、英語力も求められるため、難易度は高い
- 科目合格には期限があり、計画的な学習が必須
- 社会人受験者が多く、予備校を活用すると効率的に学習できる
USCPAは、日本の公認会計士や税理士試験よりも合格率が高いですが、受験資格や試験範囲の広さ、英語力が必要なため、決して簡単な試験ではありません。
働きながらの受験者が多いため、予備校の活用や学習スケジュールの管理が重要です。

USCPA合格を目指すなら、早めの準備と計画的な学習がカギ!
特にFARの範囲が広く、合格の分かれ道になるので、最初にしっかり勉強しましょう。
よくあるQ&A
- どんな人がUSCPAを受験している?
- USCPAの合格率はどれくらい?
- USCPAの勉強時間はどれくらい?
USCPAはどんな人が受験している?

(アビタス受講者データより)
予備校に通う人の半数近くが20代でした。

(アビタス受講者データより)
USCPAを勉強する人の8割近くは経理経験のない人です。

(アビタス受講者データより)
USCPA受験者のうち転職を希望している人は4割超でした。
USCPAの合格率はどのくらい?
USCPAの科目別合格率は約40~60%で、日本の公認会計士試験(約10%)や税理士試験(約15%)と比較すると高めです。ただし、受験資格を満たした上での合格率であり、決して簡単な試験ではありません。
USCPA合格に必要な勉強時間は?
合格までには約1,500~2,000時間の学習が必要とされています。これは毎日3時間以上(休日はさらに多く)勉強した場合、1年半~2年程度の期間がかかる計算です。特にFAR(財務会計)は範囲が広く、多くの時間をかける必要があります。