経理って男性には無理?男女比や年収、将来性を現役経理が解説!
こんな人におすすめ
男性が事務職の経理になって稼いでいけるか心配ですよね。
実際、経理事務の女性比率は9割近くありますが、経理・財務系の職種は男性のほうが多く、収入も安定していますよ。(ぼくもその一人です)
この記事では主にこちらを解説しています。
本記事は新卒から男性経理の著者が、15年の経験をもとに男性経理あるあるや結婚事情などを解説します。
未経験から経理になるロードマップも紹介するので、経理キャリアをスタートさせるヒントを見つけてくださいね!
- 1社目は地方勤務で残業続き
- ただ仕事に追われて20代が終了
- 30才過ぎてから転職を決意
- 2社目は転勤なしでホワイト職場
- 残業は月40hr超から10hr未満に
- 簿記2級、米国公認会計士保有
【結論】”経理=女性の仕事”は大間違い!
事務職は経理といった昔のイメージが強いですが、経理で働く男性は多いです。
経理職は男性が少しだけ多い
(マイナビAgentより作成)
経理や財務・会計などの職種は、実は男性のほうが多いです。
一方で、一般事務や営業事務というデータ入力や書類作成などをメインにする事務職の場合は女性のほうが多いです。
世の中の人が経理は女性が多いと考えるのは、この事務職のイメージからそう感じる人がいるのでしょうね。
経理と経理事務の違いはページ後半で解説します。
男性経理の年収は?
(dodaより作成)
男性経理の平均年収は約582万円で、女性よりも150万円ほど高いです。
女性の年収が低い理由は、
- 女性は結婚・出産でキャリアが中断する人がいる
- 男性は結婚して子供が生まれても休職する人が少ない
が考えられます。
男性のほうがキャリア形成がしやすく専門性を磨きやすい結果、年収も高いのですね。
男性が経理で働くメリット
- 営業のようなノルマなし
- 事務職の中では年収高め
- 専門性が身につく
- 転職してもスキル経験が活かせる
経理なら、営業のようなノルマに追われることはなく、会社の業績に左右されますがしっかりとボーナスももらえます。
また、専門性の高いのでいまの会社を辞めたくなっても転職先でスキルや経験が活かしやすいのがメリットです。
これ以外の経理で働くメリットやデメリットは【経理はやめとけと言われる理由】で解説しています。
男性経理に関するよくあるQA
経理職と経理事務の違いは?
経理職と経理事務は求人の扱いが同じ企業もありますが、厳密には違います。
- 経理:会計に関係する業務全般を行う
- 経理事務:経理のうち入力処理や伝票作成、データ集計など補助業務
経理業務の一例は以下の通りです。
毎日 | ・入出金管理 ・経費精算 ・仕訳入力 ・売掛金/買掛金管理 |
毎月 | ・給与/社会保険料の計算 ・月次決算 ・予算実績比較分析 |
毎年 | ・決算書作成 ・税務申告 ・損益計画策定 ・年末調整 |
ルーチンワークに近い業務は経理事務、会計基準変更の対応や決算書作成、会計監査対応など比較的難易度の高い業務を経理が担当します。
経理で年収アップするには?
実は、同じ経理でも年収アップできます。
【規模の大きい会社】や【年収の高い業界】を目指しましょう。
実際、従業員の多い大企業ほど年収が大きくなります。
(「職種・職業別の平均年収/生涯賃金」dodaをもとに作成)
さらに、業界によっても年収は変わります。TOP10の業界はこちら。
(「職種・職業別の平均年収/生涯賃金」dodaをもとに作成)
経理に向いている人の特徴は?
ぼくの考える、経理に向いている・向いていない人の特徴はこちら。
具体的なイメージや経理で出世する人の特徴は【経理に向いている人・向いていない人の特徴】?でまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。
男性経理が女性経理とうまくやるには?
15年近く経理で働いてきた僕が考える、女性経理とうまくやっていくコツは【性別で判断せず、役割で考えて接する】です。
役割とは総合職・一般職の分類や、職務分担で決められた仕事や責任の範囲です。
たとえば、
- お茶出しや雑務は女性がやるべき
- 男なら残業時間が長くなっても仕方ない
みたいな考え方はNGです。
総合職であれば難易度の高い付加価値の高い仕事をする、雑務の担当分担がないときには助け合って行うようにしましょう。
男性経理も結婚できる!
もちろん結婚できます。
2017年の就業構造基本調査?によると、経理を含む会計事務職が結婚している割合は
- 男性:85.7%
- 女性:84.3%
でした。
働く男性全体の結婚割合が79.9%なので、会計事務職で結婚している人は平均よりも多いです。
男性には経理の仕事はつまらない?
経理の仕事は奥が深いので、ハマった人には楽しい仕事です。
実際、Sansan「経理の働きがい調査」では60%以上の人が経理の仕事にやりがいを感じています。
そして、「自分の裁量で仕事ができる」、「責任のある仕事を任せてもらえる」と感じている人が多いです。
(Sansan「経理の働きがい調査」より)
未経験から経理になる3ステップ
まずは簿記などの基本知識を身につけてから、経理に強い転職エージェントを活用して、転職するのがおすすめです。
たとえば、ヒュープロ?は会計・税務職に特化したエージェントで、公開求人数も豊富なので、自分に合った求人に出会えますよ。
また、doda?も経理職種が多く大手・優良企業転職に強いので、初めての転職でも安心して利用できますよ。
詳しくは【未経験から経理になる方法】?で解説しているので参考にしてくださいね。
男性経理のキャリア事情
男性の経理配属でも出世できる?左遷ではない?
【経理だから出世できない】は間違いです。
もちろん、会社により経理の位置づけは異なりますが、経営のベースになるお金・経営を管理する経理は重要なポジションです。
CEO(最高経営責任者)に並んでCFO(最高財務責任者)というポジションもあるくらいです。
大企業・中堅企業での出世はこんな感じ。
- 入社後~20代後半:経理スタッフ
基本的な仕事を学ぶ、データ入力などの補助がメイン - 30才前後:主任クラス
仕事は自立してできる、後輩の指導も - 35才前後:係長/シニア経理担当
部門全体の業務とりまとめ 決算業務の中心になる 経営層へ報告も - 40才前後:課長/経理マネージャー
管理職 チームマネジメントや決算の責任者 税務申告や監査対応も - 45才前後:部長クラス
経理部全体の総括。財務・投資戦略や投資判断など、経営にも関わる - 50才以降:役員クラス/CFO
会社全体の財務戦略総括。経営陣として会社の意思決定に関わる
公認会計士や税理士といった資格があれば、キャリアの選択肢は増えますね。
ただし、経理でもキャリアが頭打ちになってしまう人もいます。
【経理キャリアの頭打ちを避けるコツ】を参考にキャリアを磨いていきましょう。
男女でキャリアップに違いはある?
男女でキャリアに差が出てくる理由で大きいのは、
- 女性は結婚・出産で離職する比率が高い
- 男性は子供を持っても育休を取得する比率が低い
傾向があるからです。
産休や育休でキャリアが止まると数年のブランクができてしまい、同期とポジションの差が開いてしまいます。
2024年の調査によると、大手・上場企業の女性管理職の割合は50%以上を超える会社もありますが、半分以上の会社は20%未満と回答しています。
最近はワーママも増えていて、女性管理職の割合も少しずつ増えていますが、まだまだ男性のほうが出世していくスピードが早い傾向にあります。