経理未経験なのに採用される?資格や年収と転職の流れを現役経理が解説!
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「経理になってスキルを身につけたい」
「未経験でも採用される?」
「採用されるために必要なスキルは?」
経理になりたいのに「未経験なら採用されない」とあきらめてませんか?
経理は人手不足なので、簿記やPCスキルがあれば応募できる求人はたくさんあります!
この記事では、実際に未経験から経理に転職した人の体験談や採用されるための転職戦略をまとめました。
「経理未経験から入社して長く働くために気をつけること」も解説するので、最後までぜひ読んでみてくださいね。
- 1社目は地方勤務で残業続き
- ただ仕事に追われて20代が終了
- 30才過ぎてから転職を決意
- 2社目は転勤なしでホワイト職場
- 残業は月40hr超から10hr未満に
- 簿記2級、米国公認会計士保有
【結論】経理未経験でも採用される可能性あり!
経理は人手不足で「未経験可」の求人もあり、実際に転職していく人はいます。
経理は人手不足
Sansanが実施した「経理の人手不足に関する実態調査」によると、約半数の50.1%の会社が「人手不足」を感じると回答しました。
「未経験可」の求人あり
税務・会計の転職特化のヒュープロの公開求人件数と実際の求人票を調べてみました。
財務・税務・会計職 | 9,115件 |
うち未経験可 | 1,500件以上 |
経理の実務経験がなくても応募できる求人はあり、特に「すでに日商簿記2級以上持っている」「資格取得を目指している」といった人なら積極的にアピールできますよ。
残念ながら未経験だと経験者と比べて採用時の年収が低い傾向ですが、入社後に経験を積んでいけば給料アップも目指せますよ!
経理未経験から転職した人の体験談5つ
【Iさん】20代販売職から経理職へ
Iさんは販売員としてご就業されてきました。業務の中で販売計画や企業の会計の流れに関わりながら今後のキャリアとして企業の会計に関わることができる経理職でのキャリアを希望しました。 しかし、転職市場においては「即戦力性」が求められ、自分には転職ができないのではないかと不安になる日々。。。
経理としてキャリアをスタートさせるためには何を準備したらいいのか?
一番の課題は面接突破だと考えたIさんは徹底的に面接でお伝えする内容を考え抜きました。 ポイントは、「経理職を志望した理由」、「経理職としてのキャリアパス」の2点、ここを徹底的に考え抜き、一貫性のある理由を明確にお伝えできるようになるまで準備しました。 決算業務の経験を積み、ゆくゆく経営企画など幅広く業務に関わりたかったIさん。ご入社を決めた企業もこれから会社として成長戦略を掲げている企業であったためIさんの前向きな志向が非常に好印象でした。
MS-Japan
【Zさん】20代フィールドエンジニアから経理へ
Zさんは大学卒業後にフィールドエンジニアとして飲食店のクライアントを中心に自社製品の運用保守を担当されていました。しかし、コロナ禍でクライアント先が次々と倒産していくのを目の当たりにし、企業におけるお金の管理の重要性を痛感されて経理へのキャリアチェンジを決心された経緯があります。
まずは書類通過する事が大切
活動をスタートされたものの書類通過率の相場は1~2割程度で、20社近く応募をしたとしても2~5社程度面接に入るかどうか、という状況でした。
一般的に書類選考通過において、保有資格や経歴も重要な項目ではありますが、それ以外の理由で落ちる事も多々あります。 例えば、誤字脱字がある、文字の大きさが揃っていない、数字の全角半角が混在している等。
経理だけでなく管理部門の人材を採用する際に、企業側はこの文書作成能力をまず前提としてチェックしているのです。
また自己PRについては、他業種の人が見てもわかりやすく頭の中に映像でイメージできる文章を意識しつつ、事務的業務の処理の速さや正確性、何かしらの業務改善など自分が主体的に行動した経験をアピールする事が重要で、Zさんはそれを実行し、経理との親和性を企業から評価され、書類通過率2割以上という結果を得ることができました。
MS-Japan
【Yさん】20代SEから会計事務所へ
SEの経験を持つYさんは、財務会計システムの設計・開発を通じて会計業界に興味を持ち、会計事務所への転職を考えました。
しかし会計事務所の内情は一般にわかりにくく、業界未経験のYさんも事務所の比較が難しい状況でした。そこで弊社のアドバイザーは、事務所の所長先生や所員の人柄や風土、クライアントの傾向、教育体制などの情報を提供し、Yさんは未経験者の育成実績がある小規模の会計事務所に転職を決意しました。
MS-Japan
【Tさん】20代フリーターから専門商社経理へ
半年間しか正社員として働いたことがないTさんの経歴はハンディとなります。ただし、Tさんは非常に真面目な性格で、何とか自分の人生を立て直したいと本気で考えていました。そこで私はその手助けができるよう、経歴よりも人柄を重視する会社に目星を付けて求人案件を探していきました。
ジャスネットキャリア
【Fさん】30代総務人事から経理へ
大学生時代から経理の仕事に興味を抱き、在学中に日商簿記2級を取得したAさん。ところが就職した会社では経理職に就くことができず、総務や人事の業務に携わっているうちに30代になってしまいました。このまま会社に居続けても経理部門に異動できる可能性はかなり低く、長年の希望をかなえるべく転職活動を始めました。
未経験から経理職へのキャリアチェンジの場合、通常は30歳を越えると難しいと言われています。Aさんも、当社にご登録される前に別の人材紹介サービスを利用していましたが、思うようにいきませんでした。
面接に当たって、Aさんには面接官を務めるCFOや経理マネジャーの人柄を事前に伝えました。Aさんは、「秘書」と言われても違和感がないレベルの接遇マナーを身に付けており、面接の対応は心配不要。あとは自分がなぜ経理の仕事がしたいのか、その思いを伝えることさえできれば、未経験というハンディを跳ね返せるのではないかと考えていました。
そして面接の結果、Aさんは会社側から高い評価を得て、「日商簿記2級の資格を持っていて簿記の知識もありそうだし、事務処理能力も高そうなので、私たちがきちんと教えれば、すぐにキャッチアップしてくれそうです」という評価から、内定を得ることができました。こうしてAさんは、学生時代からずっと抱いていた希望を、30代にしてかなえることができたのです。
MS-Japan
経理未経験から転職が難しいケース
30代以上
どの職種にも共通しますが、未経験職種への転職は若いほど有利です。
しかし、30代以降になるとやる気だけでなく「未経験を克服してどう会社に貢献できるか」をより厳しく見られます。
またキャリアチェンジが遅くなればなれるほど、経理に向いていなかった時のリカバリも難しくなってしまうので、会社側も慎重に採用を見極めてきます。
志望理由がハッキリしない
経理を未経験から志望する場合、「なぜ経理になりたいのか」をしっかりと説明できないといけません。
「ワークライフバランスが良さそう」、「残業が少なそう」という理由だけで応募すると面接で苦戦してしまいますよ。
簿記を持っていない
経理への志望動機がうまく整理でき、会社に伝えられたとしても、簿記を持っていないと「自分で学習する意欲はないのか」と疑問を持たれてしまいます。
もし実務経験があれば簿記を持っていなくても実績でカバーできます。
しかし、未経験からの挑戦であれば簿記2級までは取得するなど、「経験不足を補う努力」をアピールできるようにしておきましょう。
コミュニケーションスキルが低い
経理は営業などと違い管理部門ですが、社内調整で多くの人と関わるためコミュニケーションスキルが高い人が求められます。
営業のようにセールストークが上手な必要はありませんが、相手を巻き込んでトラブルなくスムーズに仕事した経験を話せると面接でも好印象になりますよ。
経理未経験から転職を成功させるヒント3つ
20代のうちがベスト
20代であれば、ポテンシャルを示すことで内定を勝ち取れるチャンスがあります。
管理部門の転職に強いMS-Japanが実施した調査では、経理未経験から転職を希望した人は25〜29歳が一番多い結果となっています。(2022年度実績)
(MS-Japan公式HPより)
未経験からのキャリアチェンジは30歳を超えると、急激に難しくなるので慎重に考えたいですね。
志望動機を明確にする
経理を志望する理由は必ず聞かれますので、自分の経験を交えながら話せるよう準備しておきましょう。
- 経理に興味を持ったきっかけ
- なぜいまの職種ではなく経理を目指すか
- いまの職種経験で経理に活かせること
- 経理で仕事をするために取り組んでいること
- 経理になって達成したいこと
- 経理でのキャリアプラン など
希望条件は広くする
未経験者は経験者よりも不利なため、希望条件は広めに設定しましょう。
なぜなら応募する会社数が限られてしまうと、選考に進める企業はもっと少なくってしまうからです。
マイナビの調査によると、書類選考・面接の通過率はこんな感じ。
たとえば1つの会社に100人応募したとしても、書類選考を通過するのは30人、一次面接を通過するのが9人、最終面接を突破して内定が出るのは4〜5人といったイメージですね。
また、年齢別の応募者数は以下のとおりで、全体の平均は8.4社、年齢が上がるほど増える傾向です。
なお、求人票の応募条件も実際はハードルが低いこともあります。(「実務経験が必須な求人」でも、未経験者が応募できるなど)
転職エージェントと相談しながら応募できる企業を探すのがおすすめですよ。
経理未経験から採用されるための準備3つ
簿記2級を取る
本気で経理を目指すのであれば、簿記は取っておきましょう。
経理経験者を含みますが、経理に転職できた人のほとんどが日商簿記2級を保有していました。
(MS-Japan公式HPより)
ただし、急に簿記2級を目指すのではなく、3級→2級の順に取りましょう。
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最低限のPCスキルをつける
経理は1日中パソコン仕事するので、PC作業に慣れていると職場でも重宝されます。
特に、エクセルなどの表計算ソフトは毎日使うので、ショートカットキーなどを活用できると即戦力と認めてもらえやすいです。
Excel女子の「ショートカットキー5選」は僕も日常的に活用している基本操作をわかりやすくまとまってるのでぜひ参考にしてみてください。
いまの仕事で結果を出す
もし営業や総務などで働いていたとしても、経理職を目指すときにアピールできるポイントはあります。
まずはいまの担当業務でアピールできる経験・実績を積んでおきましょう。
アピールポイントの観点 | 具体例 |
管理部門でも成果を数値化 | 年⚫︎円規模の会社で調達を経験 ⚫︎人規模の給与計算経験あり など |
専門性の高さ | ⚫︎業界で⚪︎年以上営業経験 海外営業で語学力が高い SEとして経理システムを担当 など |
部署を越えたプロジェクト | 企画部門と事業計画を策定 調達部門とコスト削減策を実行 新拠点立ち上げプロジェクトに参加 など |
ITに詳しいこと | 営業システム切替の実務担当 定例業務の自動化を実現 など |
転職前にいまの会社で経理経験を積めるとベスト
もしいまの会社で経理になれるなら、まずは社内異動で経理の実務経験を積んでから転職をするのも一つです。
実務経験者の方が転職の選択肢も広がり、有利になるからです。
ただし一方で転職するまでに数年かかってしまうので注意しましょう。
もし、「1人で悩んでも答えが出ないよ」ってときは、キャリア形成のプロに相談するのもアリです。
経理にキャリアチェンジしたい人向けの”20代の転職相談所”
20代の転職相談所は、その名の通り20代の転職にまつわる相談に乗ってくれます。
20代ならではの悩みに応じて幅広いメニューがあり、すぐに転職を考えてなくても無料で相談を受け付けてくれます。
【経理未経験採用される?】転職の4ステップ
事前準備
- 転職までのスケジュールを立てる
- 簿記を勉強する
- 転職の軸を決める
- 職務経歴書を作る
転職エージェントに登録
- 面談で希望条件を伝える
- 求人を探す
- 応募する
選考対策
- 応募書類を作る
- 適性試験対策
- 面接練習
いまの会社を円満退職
- 内定受諾
- 退職を伝える
- 引き継ぎ・有休消化
経理未経験から採用されるための戦略
経理について深く理解する
実務経験がなくても、経理について詳しく知って自分がどう経理で活躍するかイメージできると、面接でもアピールできますよ。
また会社から見ても、新卒社員のようにイチから教育する必要がある人よりも、すでにある程度の知識がある人の方が採用しようと思うのは当然ですよね。
経理は「経営管理」が語源といわれていて、企業のお金の流れを計算・記録・管理する仕事です。
簡単に経理の特徴5つをまとめると、
- 経理にはルールがある
- 会社経営に関わる情報を扱う
- 仕事は1年かけて1周する
- 細かい作業が多い
- 締め切りに追われがち
こんな感じです。詳しくは「経理に向いていない人の特徴」で解説しているのでチェックしてみてください。
またCPAラーニングなら経理の基本からIFRSなど発展系まで全て無料で学べますよ。
- 簿記合格を目指す:簿記1級、2級、3級各種など
- 実務を学ぶ:経理実務(初級・中級・上級)、会計Excelなど
- 上場経理を目指す:IFRS、連結会計、監査対応、内部監査など
応募書類は2回以上添削してもらう
応募書類は何回かエージェントに添削してもらいましょう。
いろんな人に読んでもらえば、自分だけでは気づかなかった修正ポイントや足りない点が見つかりますよ。
JACリクルートメントのHPには、応募書類作成で使える業務棚卸しシートや、レジュメ・英文経歴書・職務経歴書の書き方・フォーマットなど、転職の流れに沿って詳しく紹介されています。
職務経歴書のフォーマットは業界・職種別に80以上のテンプレートがあるので、自分に近いものをぜひ探してみてください。
面接対策は万全にする
特に初めての転職だと緊張するので、「うまく話せなかった」と後悔しないよう面接練習は十分にしておきましょう。
特に定番の質問は自信を持って回答できるようにしておくと安心ですよ。
- 自己紹介
- これまでの業務経験
- 志望理由
- 経理で働きたい理由
- これまでで一番困った経験とその解決策は?
オススメは、自分の声を録音して聞いてみることです。
早口じゃないか、言い回しがわかりにくくないか、客観的に確認できますよ。
未経験からの経理転職におすすめエージェント
【経理特化】ヒュープロ
ヒュープロは税務・会計特化の転職エージェントです。
実務経験のない人も応募できる「未経験可」の求人も多くあるので、きっと自分の目指すキャリアが積める会社が見つかりますよ。
税務・会計業界に詳しいエージェントが応募書類の添削や面接対策をしてくれるので、初めての転職でも安心してサポートしてもらえますよ。
【総合型】doda
dodaは幅広い求人が特徴で、求人検索もエージェントサービスもスカウトも受けられます。
経理系の求人件数だけでも約6,000件以上あります。(年収500万円以上のもの)
エージェントサービスやスカウトを利用しなければ、好きなタイミングで求人を探せるので、自分のペースで転職したい人におすすめですよ。
未経験からの経理でも長くはたらく秘訣
会社も職種も変わると分からないことが多く、ミスが続くと「経理に向いていなかったのでは」と自信を無くしがちです。
すぐに悲観的にならず、落ち着いて目の前に集中しましょう。
ここでは、入社前後と1年経ったときに気を付けておきたいことをまとめます。
入社前後
- 簿記3級以上の知識を勉強しておく
- 分からないことはすぐ質問して解決する
- 焦らずできることを増やしていく
- 担当以外の経理業務全体を意識する
会計システムの使い方も少しずつ覚えて、処理に慣れていきましょう
1年経ったら
- 担当業務を正しく効率よく進める
- 担当以外の分野の知識も勉強する
- 他部門との人間関係も広げる
【まとめ】未経験からでも経理で活躍できる!
経理は人手不足で、未経験でも転職する人はたくさんいます。
とはいえ、経理経験者の方が有利なのが現実です。
未経験からの転職が難しい人の特徴は4つ。
転職に近づくヒントを参考にしつつ、明日からできる準備を始めましょう。
このブログでは、「経理の仕事に興味あるけどイメージがつかない」、「転職したいけど何からすればわからない」人向けに有益な情報を発信しています。
少しでも役に立てれば嬉しいです!ではではー。
【経理未経験採用される?】よくあるQA
経理の仕事内容は?
経理は毎日行う支払いや入金、仕訳入力といった日次業務だけでなく、年単位で行う決算や税務申告などの年次業務を行っています。
会社により仕事の分担が変わりますが、経理・財務・税務といった経理関連の業務の一例はこのような感じです。
毎日 | ・入出金管理 ・経費精算 ・仕訳入力 ・売掛金/買掛金管理 |
毎月 | ・給与/社会保険料の計算 ・月次決算 ・予算実績比較分析 |
毎年 | ・決算書作成 ・税務申告(法人税・消費税など) ・損益計画策定 ・年末調整 |
経理の年収は?
dodaの調査によると、年収は「財務」「管理会計」「経理」の平均で533.6万円です。
また、同じ経理でも働く会社や業界で年収レベルが変わります。
詳細は「経理のメリットデメリット徹底比較」を参考に応募先を選びましょう。
(「職種・職業別の平均年収/生涯賃金」dodaをもとに作成)
経理のやりがいは?
経理は経営資源「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち「カネ」を管理する仕事です。
経営状況も日常的に把握でき、経営判断につながる数字を提供する役割なので、会社への貢献度は高いですよ。
営業などのように直接お客さんに対応しませんが、全ての事業に横断的な関わりができるのは経理ならではですね。
経理に向いていない人の特徴は?
ぼくの考える経理で働いでも長く続けられない人はこんな人です。
- おおざっぱ
- 考える前に行動する
- 数字が苦手
- ストレスに弱い
その理由や経理に向いている人の特徴は「経理に向いていないときの対処法」で解説します!
経理経験は他の職種に活かせる?
経理経験者が経理以外にキャリアチェンジを目指すとき、経理経験は決して無駄にはなりません。
例えば、営業や人事、経営企画では経理の経験・スキル・知識を活用できます。
- 営業:売上目標の管理や顧客の財務分析、資料作成力など
- 人事:給与計算や社会保険の知識、社内コミュニケーション経験など
- 経営企画:財務分析や予算策定経験、経営リスクの分析力など
詳しくは「経理に向いていない時の対処法」で解説しています。
自身の強みやキャリアプランを考えながら、適切な職種への転職を目指しましょう。