USCPAは独学できる?デメリットや市販のテキストと問題集を解説!

「USCPAを独学で勉強しようと思うけど、合格できるか不安」
「仕事と勉強の両立が難しそうで続けられる自信がない」
「予備校は高いし、独学とどちらがコスパ良いか迷う」
ネット情報には「USCPAを独学で合格した人もいる」という人もいれば、「独学は無謀」という意見もあって、何が正解かわからなくなりますよね。
ましてや、仕事をしながらの勉強が本当に続けられるのか心配になります。
ただ正直なところ、よほどの自信がない限り独学をオススメしません。

ぼくは予備校に入っていなければ途中で挫折してしまっていたと思います…。
予備校を活用すれば、最短ルートで合格するためのカリキュラムが整っているため、仕事と両立しながらもスムーズに進めることができます。
この記事のポイントはこちら。
この記事を読めば「独学か予備校か」の迷いが解け、最短ルートでUSCPA合格を目指せる学習戦略がわかりますよ。
USCPAを武器に、良いキャリアと年収アップを手に入れるために次の一歩を踏み出しましょう!

- 1社目は地方勤務で残業続き
- ただ仕事に追われて20代が終了
- 30才過ぎてから転職を決意
- 2社目は転勤なしでホワイト職場
- 残業は月40hr超から10hr未満に
- 簿記2級、米国公認会計士保有
USCPA試験のしくみ

USCPAは日本では東京か大阪のテストセンターでパソコンを使って受験します。
ここでは試験科目や受験資格、合格率、ライセンス制度など、押さえておくべきポイントを紹介します。

試験のしくみを知って、独学できそうか改めて考えてみましょう。
試験科目
USCPA試験は、3つの必須科目と選択科目3つから1つ、合計4科目を受けます。

例えば、会計実務をしているとFAR(財務会計)は比較的理解しやすいでしょう。
また会計監査を受けた経験がある人ならAUD(監査及び証明業務)のイメージもつきやすいです。
一方、税法やビジネス法を扱うREGは、アメリカの法律が絡むため慣れが必要です。

BARは、FARの高度な分野や財務諸表と財務指標の分析などを扱います。
ISCは、情報セキュリティや内部統制などを扱う、AUDの派生科目です。
TCPは、個人と事業体のタックスプランニングや税コンプライアンスを学ぶREGの派生科目です。

迷ったときは、FARと関連の強いBARを選択するとよいですよ。
受験資格
USCPAは自分が受けやすい州に出願しますが、受験資格の審査があります。
(州により基準が違います)
日本人受験生の多い主な州の受験資格は↓のとおり。

どの州で出願するかを決めるために、まずは卒業した大学の成績表や卒業証明書を取り寄せ、単位要件を満たしているか確認しましょう。
単位数に応じて、受験しやすい州を選びます。
なお、単位数チェックは予備校のアビタスが完全無料で実施してくれます。

予備校に申し込まなくても無料で診断してくれるので、州選びの参考にするためにもチェックしてもらいましょう。
USCPA最新情報をチェック!
合格率
USCPAの試験は99点満点で、75点以上が合格ラインです。
最新(2024年の3Q)の合格率は↓の通りです。(AICPA公式HP参照)

※BARは選択科目の一つで、ほかにISC(合格率59%)とTCP(合格率75%)があります。

パッと見、合格率が高そうですが、先ほどの受験資格を取ったうえで、受験までたどりつけた人の合格率なので要注意です!
例えば、実務経験がない人や自信のない人は、ベースとなるFAR(財務会計)に特に時間をかけましょう。
USCPA試験の難しさについては、「USCPAの本当の難しさ」でも解説しています!
ライセンスを取るには

USCPA試験に合格後、ライセンス登録をして初めてUSCPAとして働けます。

名刺にUSCPAと記載できるのはライセンスホルダーのみ!
ライセンス要件も州ごとに違いますが、実務経験があり、倫理試験を合格するとライセンスをもらえます。
中には、監査の実務経験が求められる州もあるため、どの州のライセンスを取るか事前に調査が必要です。

転職活動で活かしたい場合には「USCPA全科目合格」と書くのもOK!
ライセンス取得まで必要かどうか、よく見極めましょう。
独学でUSCPAを目指すデメリット

USCPAを独学すると、受験手続きや教材選びなど、すべて自分でやる必要がある点が大変です。

とくに働きながらの独学は手続きに時間をとられて、受験勉強が思うように勧められません。
最新情報を自力で調べる必要あり
- NASBA(全米州会計委員会)の公式サイトを確認
- USCPA予備校のHPや公式SNSを活用
- 合格者のブログや体験談をチェック
USCPA試験の制度は、受験資格や手続気方法、試験範囲、ライセンス申請など、変更されることもあります。
最近では2024年に試験科目の見直しや科目合格の有効期限延長など、大きなアップデートがありました。(本サイトは最新情報を提供しています)

制度変更に気づかずに準備を進めると、最悪の場合受験できなくなることもあるので試験のルールや受験資格は最新情報をチェックしておきましょう。
受験手続きが面倒

USCPA試験の受験手続きは、日本の公認会計士試験など比べても複雑です。
州ごとに要件が異なるため、自分に合った州を選び、必要な書類を準備しましょう。
また審査には時間がかかるので、受験を決めたら勉強と並行して準備を進めましょう。

手続きでミスすると、郵便代などがムダになってしまうので慎重にチェックしましょう。
教材を選ぶ手間がある

USCPA試験を独学で勉強する場合、教材選びがとても重要です。
残念ながら、日本のUSCPA予備校はテキストや問題集を市販では購入できません。
購入するならアメリカの予備校教材となってしまいます。
市販のテキストは後半のパート⇩で詳しく紹介しているので参考にしてくださいね。
受験資格を満たすのが難しい

USCPA試験は、受験資格の要件が州ごとに異なり、準備開始時点で大学の単位数を満たしていない人も多くいます。
特に、そう単位数だけでなく会計やビジネス関係の単位数も条件になるので、足りない人は、追加で単位を取得する必要があります。
単位で追加をとるには、アメリカの大学を通信制で通わなくてはなりません。

予備校であれば、USCPAの科目を勉強しながら提携校の単位をとれるので、便利ですよ。
独学でUSCPAを目指すメリット

独学にはいくつかのメリットもあります。
特に、出費が少ない点や学習スケジュールの自由度が高さが魅力です。
予備校代を節約できる
USCPA受験には約100万円ほどかかりますが、その多くは予備校代です。

独学で勉強すれば、教材費のみで済み、大幅にコストを抑えられます。
できるだけ出費せずにUSCPAを目指したい人には、独学は良いですよね。
自分のペースで準備できる

独学なら、仕事や家庭の都合に合わせて学習スケジュールを自由に組むことができます。

予備校の場合は受講期限が決まっているので、結婚や出産、引っ越しといったライフイベントが起きると勉強にも支障が出てプレッシャーになってしまいます。
好きな教材を選べる
独学の大きなメリットの一つは、自分に合った教材を自由に選べることです。
予備校の場合、指定された教材を使うことになりますが、独学なら市販の教材やオンラインの学習ツールを組み合わせて勉強できます。
独学なら、自分の得意・不得意に合わせて柔軟に教材を選べるのが大きな強みです。

ただし、市販のテキスト・問題集はアメリカから取り寄せるため、日本の予備校と比べて割高になる傾向にあるので注意です!
独学に向いている人の特徴

USCPA試験を独学で目指しやすいのは、会計の基礎知識がある人や、英語の情報収集に抵抗がない人です。

学位や必要単位数をすでに持っている人も向いていますね。
自分がどれくらい当てはまるかチェックしてみましょう。
会計の実務経験がある

独学でUSCPAを目指す場合、会計の実務経験があると有利です。
特に、財務会計(FAR)や監査(AUD)の科目は、実務で学んだことがそのまま試験内容に活かせることが多いです。
逆に、会計の実務経験がないと、基礎から学ぶのに時間がかかるため、独学よりも予備校を利用する方が遠まわりせずに勉強できます。
簿記1級程度の知識がある

簿記1級レベルの知識がある人は、USCPAの試験範囲を理解しやすく、独学でもスムーズに進められます。
特に、FAR(財務会計)は会計基準は異なりますが日商簿記1級と重なるパートも多くアドバンテージになります。
英語に抵抗がない
USCPA試験は出願手続きからライセンス取得まですべて英語が必要です。
目安としてTOEIC800点以上のであれば、専門用語を除けば問題文も理解できるため、独学でも勉強が進めやすいです。

TOEIC500点ほどの場合は、予備校の日本語テキストと講義で勉強するのをオススメします。
すでに受験資格を満たしている

USCPA試験は州ごとに受験資格が異なり、特定の単位数を満たしている必要があります。
独学でUSCPAを目指す場合、受験資格を満たしているか事前に確認しておくことが重要です。
たとえば、アラスカ州ならこの2つの条件をクリアしていると出願できます。
もし単位数が足りない場合には、たとえば放送大学の単位を取ることもできます。
独学で受験する場合は、事前に受験資格をクリアしているかをしっかり確認しておきましょう。
なお、単位数チェックは予備校のアビタスが完全無料で実施してくれます。

予備校のアビタスなら、入学しなくても無料で単位数診断してくれます。州選びの参考にするためにもチェックしてもらいましょう。
USCPA最新情報をチェック!
USCPAを独学で合格する流れ

USCPA試験に合格するには、計画的な学習が欠かせません。
特に、試験の勉強時間や受験スケジュールを事前に決めておくことで、スムーズに合格を目指せます。
勉強時間の目安

USCPA試験に合格するには、4科目合計で1,200時間の勉強が必要です。
1日3から5時間勉強すれば、約1年で全科目の合格を目指せる計算になります。
例えば、仕事をしながらUSCPAを目指す場合、平日は2時間、週末は5時間勉強するなど、計画的に学習時間を確保することが大切です。
学生やフルタイムで働いていない人などであれば学習時間をしっかり確保できるので、より合格に近づけます。
受験計画を立てるときの注意点

USCPA試験に合格するためには、長期的な学習計画が必要です。
特に、試験の有効期限(18カ月ルール)を考慮しながら計画を立てることが大切です。※有効期限は州により異なります

例えば、経理で働く人なら決算期などを避けて、受験スケジュールを立てると、勉強と仕事を両立しやすくなります。
計画を立てる際は、想定外のイベントに備えて無理のないスケジュールを意識しましょう。
受験スケジュールのイメージ

USCPA試験は、受験する科目の順番やペースを自分で決められます。
一般的には、難易度が高いFAR(財務会計)から受験する人が多いです。

例えば、仕事の日に3時間、休日に5時間勉強できるなら、1年6か月ほどかけて全科目を受けるスケジュールを組むと、無理なく集中して取り組めますよ。
USCPA教材を選ぶときの注意点
- 図解など解説が充実しているか
- 最新版が入手できるか
USCPA試験を独学で勉強する場合、教材選びがとても重要です。
特に、試験範囲をしっかりカバーし、自分の理解しやすい教材を選ぶことが大切です。
ここでは、教材を選ぶ際に注意すべきポイントを紹介します。
文字だけでなく図解が充実しているか
図解が多いテキストを使えば初めて学ぶ分野も理解しやすいです。
アビタスのテキストの例⇩

(アビタス公式HPより)

USCPA試験は、複雑な会計処理や税法の知識が問われるため、図解が充実した教材を選ぶと理解しやすいですよ。
最新版が入手できるか
USCPA試験は、出題範囲や試験形式が定期的に変更されるため、最新版の教材を使用することが重要です。
最新版でないと、ムダな勉強や対策不足になって、不合格のリスクが高まってしまいます。

とくに2024年からは新試験制度になって、科目構成も大幅に変更になりました。2024年以降に対応しているものを選びましょう!
おもな教材入手方法

教材を買うには、予備校の教材を手に入れるほかに中古品を購入する方法もあります。
中古品
※日本の予備校テキストは転売が禁止されています。自己責任でお願いします※
USCPAの教材は、中古品として販売されていることも多く、新品より安く入手できるのがメリットです。
例えば、メルカリやヤフオクでは、USCPAの最新教材が出品されていることがあり、新品よりも低価格で手に入ることがあります。
メルカリの出品一例

ただし、試験範囲が変更されることもあるため、最新版に対応しているか事前に確認してから購入しましょう。
教材を買えるアメリカの予備校
USCPAの予備校では、講座を受講しなくても、教材だけを購入できる場合があります。
Becker(教材のみの販売はなし)
テキスト・動画講義・問題集のセットで2,499ドル~です。

(Becker公式HPより)
Gleim(教材のみの販売はなし)
テキスト・動画講義・問題集のセットで2,499ドル~です。

(Gleim公式HPより)
問題集のみは4科目部分で999ドルです。

(Gleim公式HPより)
U World
テキストは冊子のみと電子テキスト(6か月のみ閲覧可能)とのセットの2パターンから選べます。
値段は4科目合計で250ドル~です。

(U World公式HPより)
問題集は1科目につき299ドルです。

(U World公式HPより)
セット割引もあります
予備校の教材は、試験範囲が体系的にまとめられており、独学でも効率的に学習できるのがメリットです。

ただし、予備校の教材は価格が高めに設定されていることが多いため、費用と内容を比較して選ぶようにしましょう。
挫折せず独学でUSCPA合格するコツ

USCPA試験の勉強は長期間にわたるため、途中で挫折しないように工夫が必要です。
特に、スケジュール管理やモチベーション維持がポイントになります。
余裕を持ったスケジュールを立てる
- 1日2〜3時間は勉強する
- 仕事とのバランスをとる
- 合格の期限切れに注意
- 定期的にスケジュールを見直す
USCPA試験は4科目すべてに合格する必要があり、学習期間が長くなります。
無理のないスケジュールを立てることで、途中で挫折せずに勉強を続けることができます。
例えば、働きながら勉強する場合、決算期には学習ペースを落として、勉強できないストレスを感じないように工夫しましょう。
勉強仲間を作ってモチベキープ
- SNSやオンラインコミュニティに参加する
- 合格者の体験談を参考にする
USCPA試験は長期間の勉強が必要なため、勉強仲間を作ることで、モチベーションを維持しやすくなります。
独学の場合はより自分との戦いになりがちなので、積極的につながりをもつように心がけましょう。

ぼくも周りにUSCPA受験生がいなかったのでXなどのSNSで情報交換していました。
気分転換を効果的に取り入れる
- 1時間ごとに5〜10分ほど休む
- 軽い運動でリフレッシュする
- 音楽を聴いて気分を切り替える
- 学習場所を変えて集中力を保つ
長時間の勉強を続けると、集中力が低下し、効率が悪くなることがあります。
例えば、勉強中に集中力が落ちたら、軽いストレッチや散歩をすることで、リフレッシュできます。
また、学習場所をカフェや図書館に変えると、新鮮な気持ちで勉強を続けることができます。

自分が集中しやすい勉強スタイルを早めに見つけて定着させましょう。
まとめ
- USCPA試験は4科目(必須3科目+選択1科目)で構成
- 受験資格は州ごとに異なり、単位要件の確認が必要
- 試験合格後、ライセンス取得には実務経験と倫理試験が必要
- 独学は費用を抑えられるが、受験手続きや教材選びに苦労する可能性あり
- 予備校を利用すれば、最新情報の提供や単位診断のサポートが受けられる
USCPA試験は、受験資格の確認、試験対策、ライセンス取得と段階を踏んで準備が必要です。
独学でも合格可能ですが、効率的な学習のために予備校の活用も検討してみましょう!
よくあるQ&A
USCPAはどんな人が受験している?

(アビタス受講者データより)
予備校に通う人の半数近くが20代でした。

(アビタス受講者データより)
USCPAを勉強する人の8割近くは経理経験のない人です。

(アビタス受講者データより)
USCPA受験者のうち転職を希望している人は4割超でした。
USCPAの合格率はどのくらい?
USCPAの科目別合格率は約40~60%で、日本の公認会計士試験(約10%)や税理士試験(約15%)と比較すると高めです。ただし、受験資格を満たした上での合格率であり、決して簡単な試験ではありません。
USCPA合格に必要な勉強時間は?
合格までには約1,500~2,000時間の学習が必要とされています。これは毎日3時間以上(休日はさらに多く)勉強した場合、1年半~2年程度の期間がかかる計算です。特にFAR(財務会計)は範囲が広く、多くの時間をかける必要があります。